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2006年02月15日 ()
「くるかなぁ・・・・・・」
アザゼルは教会の前でひっそりと座っていた。
手には慌ててKululuさんに手伝ってもらいながらつくったお菓子とそして自分で初めて見つけた綺麗な剣。

Kululuさんはお菓子の材料を買い込むのを手伝ってもらい、さっきまで横にいたのだが、
「・・・・・・なんか嫌な予感がする」
と言い残してすごく慌てた様子で立ち去っていった。

なんだろ?と思っていたが、すぐにその理由がやってきた。
「アザ!」と呼ぶ声がして振り向くとHAHAHAといつもの笑い声。
「パパ!」
アザゼルが嬉しそうにハンスに飛びつくと、ハンスはそのまま娘を持ち上げて恐ろしい高さの「たかいたかい」をして見せた。

「あ、そだ。パパ、これあげるー」
アザゼルは思い出したかのように、ピンクのリボンをつけた菓子袋をハンスに差し出した。
中にはぎっしりとバームクーヘンが詰まっている。
「バレンタインのお菓子だよー。パパの分はたくさん入れておいたよ!」
アザゼルがえへへと笑って言うとハンスはその頭をグリグリと撫で回した。
「あいもそこそこつめておいたからね」
と言う娘に「おう」と答えてから辺りを見回す。

それを見てアザゼルはさっきKululuが慌てて立ち去った理由がやっとわかった。
「パパ、クルルさんならさっきまでここいたけど、パパくるの察知していなくなっちゃったよ」
アザゼルの言葉にハンスは、「照れてるんだな」と言ってHAHAHAと笑った。
逃げるものは追いかける、といわんばかりにハンスは走り出そうとしたが、ふと足を止めて「椿は?」と聞いてくる。
「椿ちゃんは今日は見てないー」
アザゼルの言葉に「そうか」とだけ返事すると行ってくるぜ、と全速力で走り去っていった。
(クルルさん、たいへんそぉ・・・・・・)
とは言うものの止める気はないのだが。


ハンスが立ち去ってからしばらくすると、遠くからまたアザゼルを呼ぶ声がした。
出航所のほうから駆けてきたのは椿だった。
「やほぉ」とのんきなあいさつをしてから、アザゼルはまたピンクのリボンの付いた菓子袋を出す。
「はい、椿ちゃんにも、バレンタインのお菓子あげるー」
椿は笑って「ありがとう」と受け取ると、ふっとこんな場所にいるアザゼルの目的が気になったのか「誰かと待ち合わせ?」と聞いてきた。

アザゼルは少し迷ってから「ううん」と答える。
椿は「そっか」と言いつつアザゼルの目の前にミトンを差し出した。
どうやらバレンタインのお菓子代わりらしく、みんなに配って歩いていたらしい。
「寒いからそれつけておくといいよ」と言って椿はまた友人を探し去っていった。
その後ろ姿に
「さっきパパが椿ちゃんも探してたよー!」と声をかけると「OKOK」とヒラヒラと手を振る。
どうやらクルルさんほどパパのことを避けてないらしい。
(どっちかとゆと、「気にしない」ってやつかなぁ?)
まだ気にしてもらえる段階まできていない、と言う事だろう。
(そう考えるとまだクルルさんのほうが脈あり?)
アザゼルはクルルがいたら全力で否定されそうな事を考えていた。


アザゼルはもらったミトンを付けて待ってるうち、少しうとうとし始めた。
が「あれ?」と声がして驚いて顔を上げる。
と、いつの間にか目の前にコールが立っていた。
「・・・コールさん、あたまシーツのってる」
「ああ、これ」とコールはシーツを引っ張り苦笑いする。
どうやら眠くて仕方が無くて船の上でも寝てたらしい。
ちゃんと戻って寝ようと思って。そういうコールにアザゼルは慌ててお菓子袋を差し出した。
「バレンタインのお菓子ーだよー、どうぞ!」
「サンキュ」とコールは受け取ったが、手にはもうひとつ、すでに菓子袋を持っていた。
どうやらクルルにももらったらしいが、当のクルルは「HAHAHA」と言う笑い声がどこからとも無く聞こえた途端、ものすごいスピードで出航手続きをして出て行ったらしい。
まぁ、その後ハンスも同じように出て行ったけど、とさらりといった。
(どうやらコールさんもパパを止める気はないっぽいの)
止めても無駄、という事がわかってるのかもしれないが・・・・。

しばらく話してるとコールがおおきな欠伸をする。
どうやらかなり眠いらしく、帰る、と言って手を振り歩き始めたが、ふと「弟見なかった?」と聞いてきた。
「なんか遠くに行く、みたいなことゆってたけど・・・・」
実際どこにいるかはアザゼルも知らなかった。
「そっか」と返事をしてコールは町のほうへと消えていった。

(そいやせんちょーさん、何かにおびえてるみたいだったなぁ・・・)
考えて下を向いてると、ぽんぽん、とあたまを軽く撫でられる感触。
「リエンさんだ!こんばんはぁ」
あいさつすると「こんばんは」と笑い返してから菓子袋をアザゼルの目の前にさし出した。
どうやらバレンタインのお菓子袋らしい。
見たことがないお菓子に目を輝かせていたが、ふと我に返ってアザゼルも菓子袋を手渡す。
「交換だね」と言ってお互いにえへへと笑う。
しゃぶぞーさんを探してるのかな?そう思って聞こうとした瞬間、街中に大きな声が響き渡る。
「イドニス様、大好きー!」
町中に響き渡るような声・・・・・・蟷螂さんだ。
ビックリしてるとどこからかアレクシオの突っ込む声が聞こえた。
・・・・・どうやらまだ旅立ってなかったらしい。
同時にそう遠くないところからsyabuzoの突っ込みの声が聞こえた。
「いたいた」とリエンは立ち上がるとアザゼルに手を振り「じゃあね」とsyabuzoの元に駆けていく。

(いいなぁ・・・・)
そう思いふっとアザゼルはまたうずくまって座り込む。
(ひょっとして今日はもぉこないのかな・・・?)
そう考えてアザゼルはブンブンと頭を横に振ると少し目をこすり、そのまま顔を伏せた。
「・・・・・・ひょっとしてハンスの娘か」
突然の声にビックリしてアザゼルは思わず顔を上げた。
目の前に背の高い真っ赤な髪の女性が立っている。
「驚かせてすまない。私は・・・・そうだな、まぁ君のパパのちょっとした知り合いだ」
そう言ってからその女性はアザゼルの前に腰を下ろすとにっこりと笑いかけて聞いてきた。
「実は人を探してここにきたのだが・・・・・知らないかな?シオ、と言う感じの名前だと思うのだが」
「せんちょーさんのこと?」
アザゼルの言葉に「ああ、多分それだ」と頷いた。
「せんちょーさんなら、さっき声が聞こえたから、この町のどこかにいると思うけど・・・」
「そうか!」と叫んでからHAHAHAとハンスとよく似た笑い方をして立ち上がる。
「やっと見つけられそうだ!ありがとう、ハンスの娘」
そう言って立ち上がったが少し腰をかがめると、アザゼルの眼のふちを軽く指でこする。
「待ち人が来たようだからな。笑って迎えてやるといい。」
女が身を横に引くと、遠くから見慣れた背の高い姿が「やぁ」とアザゼルに手を振る。
アザゼルの顔が途端に明るくなり、そのままそちらへと駆けていった。

その後姿を見てやさしく微笑んでいた女はそのまま指を鳴らしつぶやいた。
「さて、私も捕まえにゆくかな!」


『とりあえず』
今日は平和なリスボンのバレンタインデーの一日。
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[2006.02.15(Wed) 15:19] 短編小説Trackback(0) | Comments(0)
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