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2006年11月16日 ()
ネタのきっかけはクルルさんの一言より。
壁∥×・)bきっかけありがとう、クルルさん!


えーと・・・・まぁ、リアル風邪引きでダウンしている、ゆずきさんにお見舞いの品ということで。

・・・・こんなの読ませたらかえって風邪が悪化しそうだ('-';


それでは続きからどうぞー。










「「うー・・・頭いたい」」
セビリアの11番商館に声をそろえてよろよろと入ってきた姉妹。
「あれ?ゆずきさんとふぃりすさんかー。2人揃ってって珍しいね・・・ってどうしたの?」
クルルが声をかけたが、2人ともまず焦点が微妙に合ってない。

「・・・2人とも顔が赤くないか?」
丁度クルルの料理を買うために戻ってきていたジャバウォックが、2人の顔を見比べて言った。
一番近くにいた椿が、2人の額に手のひらを当ててみる。
「うわ、あつい!」、と思わず声が出るほど2人の熱は上がっているようだ。
「「うぅ~・・・、風邪かなぁ・・・・・」」
ハモる声もかすれている。
間違いなく風邪だろう。

「ねー、しんどそーだよ?寝てたほがよくないー?」
アザゼルが心配そうに2人の顔を覗き込む。

・・・そうはいうものの2人の自宅は北海にある。
この状態で北海まで帰れというのは自殺行為に近いものがある気がする。
「このまま北海まで返すわけには行かないよねえ・・・・椿さんちかうちの家で休む?」
クルルの提案の提案にも2人は返事も出来ず、ぐったりとしていた。


結局。
どちらかにするか話し合った結果、クルルの自宅に2人を運び込むことにした。
「ふむ、2人私が担いで行ってもいいが・・・・流石に病人を両肩に抱えて歩くというのはあまり体に良くなさそうだな。」
荷物じゃないんだから・・・とたしなめたものの、クルルや椿、ましてはアザゼルでは背負って連れて行くのも難しそうだ。

どうするか思案していると、商館のドアが開く音がする。
「おー、みんなこんにちはー・・・・ってどしたの?」
入ってきたのは冒険から帰ってきたらしいコールだった。
「丁度いいところにきたな」
ジャバウォックはそう言って肩に担ぎ上げようとしていたゆずきの体をコールの背中に乗せた。
「ちょ、いきなり何!?」
突然背中に人を乗せられてよろけるコールに、クルルと椿が事情を説明する。

「・・・で、うちまでゆずきさんとふぃりすさんを運んでほしいんだけど」
説明を聞いてコールが「あー、そういう事か」とやっと納得したようだ。
「・・・よろけてるけど、大丈夫か?」
ジャバウォックが聞くとコールが「一応」と答える。

「クルルさんの自宅ぐらいまでなら大丈夫かな?・・・・でもゆずきさんって思ったよりも重いn・・・」
ゴンッと鈍い音がした。
と、同時にコールの体が床に昏倒する。
そのままゆずきの体も床に落ちるかと思った刹那、ジャバウォックがその体を引き上げ肩に担いだ。
ゆずきの手には船大工のかなづちが握られている

「・・・忠告だが女性の体を『重い』と表現するのは危険だから止めておいたほうがいいぞ?」
「そういうことは先に言ってください・・・・・」
倒れたコールの後頭部にはきれいなたんこぶができていた。



「・・・これで大丈夫かな」
2人をベッドに寝かせると、クルルは病人食を作るべく台所へと姿を消した。
椿は冷たい水でタオルを絞って2人の額に乗せたり、汗を拭いたりしている。

「・・・ところで気になるんだが」
ジャバウォックが突然呟く。
「先刻からハンスの娘の姿が見えん」
「あー、そう言えば「パパがセビリアにいるから会いに行く」って言ってたよn・・・」
そこまで言って事の重大さに気が付いたらしい。
「ヤバイ、今ハンスがきたらこの2人、休むどころじゃなくなっちゃうんじゃ・・・」
「・・・なるべく静かに追い払うよう、心がけよう・・・・ま。この部屋なら何となく大丈夫な気はするが」
ジャバウォックは床や壁を軽く叩き、くすりと笑いながらそう言った。


「・・・どうやら早速来たようだぞ」
ジャバウォックが椅子から腰を浮かし、玄関のほうを見る。
耳を澄ますと町の喧騒に混じって「Yeahhhhhhhhhh!!!」という叫び声がかすかに聞こえる。

「・・・椿さん」
声がしてベッドを見ると、ふぃりすがぼんやりと目を覚ましている。
「あのスタンド、手前に引いて」
「・・・・・へ?」
ふぃりすに言われた意味が分からず、椿が聞き返すと、再び「手前に引いて」と呟き、そのまままた眠りに落ちた。
椿は良く分からないままベッドサイドにあるスタンドに手を掛けると、それを手前にスライドさせてみた。

「Yeahhh!見舞いに来たゼェェェェ!」
ハンスがドアを開けて部屋に入ってこようとするのと同時だった。
スタンドの底がカチリ、と音を立てると同時にドア前の床からジャバウォックの背丈ほどもある鉄板が飛び出し、ハンスのあごを直撃する・・・と思われたが、瞬時に察知して後方にのけぞり避けたらしい。
だが、そのまま鉄板はドアにぴったりと張り付くように立ちはだかり、ハンスを部屋からシャットアウトした。

驚いたのは見ていた椿だ。
「・・・姐御、この事知ってたの?」
「いや、天井や床に何か仕掛けがあるだろう・・・とは思っていたんだが、まさかここまで大掛かりとはな・・・・」
そういいながらジャバウォックは堪える様にして笑っていた。

「そらまめのスープとか作ってみたけど、2人ともまだ寝てるかなー?」
どうやらクルルが食事を作り終わったらしく、部屋に顔を出す。
と、今度はゆずきがうっすらと目を覚ました。

「あ、ゆずきさん起きた?スープ飲める?」
顔を覗き込んでくるクルルに、ゆずきがぼそぼそと何か話しかけている。
「え?何?」とクルルが耳を近づけると、
「暖炉の上の時計とって・・・」
と言ってるのが聞こえた。
「ん?時間ならまだ3時過ぎだよー?」
クルルがそう答えたが、ゆずきは首を横に少し振って、もう一度「時計を取って」と言った。

クルルは疑問に思いながらも、暖炉の傍に行き、クリスタル製の時計を持ち上げた。
その瞬間、「ウヒョーーーー!」という叫び声と共に、今度は窓からハンスが飛び込んできた。
クルルが悲鳴を上げるより前に、持ち上げた時計の下でカチリ、とまた何かのスイッチが入る音がした。

ぶん、と風を切る音がして、窓から入ってくるハンスに向かって、天井から振ってきたのは船の錨だった。
放物線を描くようにして振り下ろされたが、ハンスはその錨につかまると、反動で部屋の反対の床に着地した。
「HAHAHA、熱烈な歓迎だなオイ」
そう言って1歩踏み出した刹那、ハンスの足元にぽっかりと穴が開く。
流石に虚を突かれたらしく、ハンスが穴へと真っ直ぐに落ちていく。
なにやら「ウヒョーーー」と言う声が聞こえていたが、床が何事もなかったかのように閉まり、直ぐに聞こえなくなった。

今度は驚いたのはクルルだ。
「な・・・・何これ!?どういう事!?」
クルルはさっきまで穴が開いていた床を叩き、呆然としている。
「実に面白い仕掛けだな・・・・」
そう言いながらジャバウォックは堪えきれなくなったのが、大声で笑った。
つられたように椿も笑う。

「い・・・・いつの間に私の部屋を改造したのー!?ちょっと、ゆずきさん!?ふぃりすさーん!!!??」
クルルが必死でベッドで眠り込む2人に詰め寄る。
「・・・まぁ、ハンスの撃退に役に立ったんだ、いいんじゃ?」
やっと笑いの収まったらしい椿が、それでもまだ吹き出しそうになる口元を押さえながら、慰めの言葉をかける。

「もう、椿さんは他人事だと思って・・・それに一回見た仕掛けにハンスが2度も引っかかるとは思えないよっ」
「それもそうだねー」と相槌を打った途端、再びベッドに横たわる姉妹が今度は2人揃って目を覚ました。
「「大丈夫、あと18個の仕掛けがあるから・・・」」
むにむにと寝言のような呟きにクルルが唖然とする。

「ちょっと、18個の仕掛けって・・・」
「2人合わせて18個かな?それとも1人18個の仕掛けを作ったって事かな?」
面白がるように椿がジャバウォックに話しかけると、思いもかけない方向から返事が返ってきた。
「「大丈夫、椿さん所には32個あるから安心して・・・」」
そう言って今度こそ深い眠りに落ちたのか、2人が揃って安らかな寝息を立て始めた。

「ちょま、32個って何!?2人合わせて!?それとも一人当たり32個の仕掛けを作ったの!?」
見当違いの心配で眠る2人に詰め寄る椿と、既にがっくりと膝を落とすクルルの姿を見て、ジャバウォックが再び堪えきれなくなったかのように、大声で笑った。
アパルタメント前を通る人たちが驚くほどの声だったが、眠る2人の妨げにはならなかったらしい。
暫くして笑いを収めたジャバウォックが、2人の額につめたいタオルをのせ直す。
「2人ともご苦労様だ。ゆっくり休め。」
ジャバウォックの声が聞こえたのか、それとも夢でも見ているのか、ゆずきとふぃりすのが同時に幸せそうな笑顔になった。

起きたらクルルと椿に詰め寄られるのは必至だろう。
それを考えるとまた笑いそうになるジャバウォックだった。
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[2006.11.16(Thu) 11:05] 短編小説Trackback(0) | Comments(0)
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