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リストマーク 密やかな悩み(椿ちゃんハピバスデー小説) 

・・・・今回、思いつくまでに恐ろしく時間がかかりました。
しかも出来的に「これどうよ!?」みたいになってしまったのが・・・。

と、取り合えず椿ちゃんはっぴーばーすでー!という事で頑張って書いてみました!
是非ご笑納ください!これ以上ネタを考えるのは無理だ・・・・orz


壁∥×・)あと、時間かかりすぎて見直ししてないので、ちょこちょこ修正はいるかと思いますが許してください・・・(汗







「チェシャ、暫く航海長を任せたぞ。バンダーは船医担当に回れ。目的地はセビリアだ。私は今から少し考え事があるから、部屋に戻る。緊急の要件以外では邪魔をしないようにな。」
「了解しました」
と、2人の副官が揃って返事を返すと、ジャバウォックは「頼んだぞ」と提督室へと引っ込んでいった。

「姐御様が航海中に提督室に戻るのって珍しいですね。」
「そうね~、いつもは先頭に立って獲物やら海賊やら捜していることが多いものね~」
物騒な台詞だが、チェシャも「そうですよね」と相槌を打っている。

「取り合えず言われた仕事につきましょうか~」
「はい!」
2人はそれぞれの持ち場へと移動した。

海賊の強襲にもあわず、嵐にも遭わず、普段よりも平和な航海といえるぐらいの状態だ。
なのに何故かチェシャネコは落ち着かなかった。
「チャーちゃん、お昼行っていいわよ~」
「あ、はい!」
バンダースナッチの声に返事をすると、見張り台から降りて食堂へと向かった。
丁度昼を先に済ませたらしいバンダースナッチが「お先に~」と持ち場へ戻ろうとするのを手を引いて制止する。

「姐御様はもうお昼は食べられたんですか?」
チェシャネコの問いにバンダースナッチが首を横に振る。
「それがね~、提督室から一向に出てこないのよ~。お昼だって伝えたんだけど、「忙しいから要らん」ですって~。」
ジャバウォックは普段から「食える時に食っておけ」が身上だ。

戦闘が始まればそれこそ2,3日飯抜きということも珍しくない。
だからこその身上通りジャバウォックも手が空くと嵐の中でも飯を欠かさない程だ。
そんなジャバウォックが昼食を要らん、という事だけでもかなり珍しい。

なにより、普段提督室に大人しく引っ込んでいる事などないジャバウォックなだけあって、出航してから一回も船員達の前にも姿を現さないことに、副官だけでなく船員達も落ち着かない様子だった。
「・・・私、お昼ごはん届けてきます!」
バンダーが止める間も無く、チェシャネコは昼食を小さなトレーにのせて、提督室へと走っていった。

普段のチェシャネコならジャバウォックが何かをしている邪魔というのは絶対にしないよう心がけている。
心配で意を決してきたものの、暫く部屋の前で躊躇していたチェシャネコだったが、深呼吸をして提督室のドアを叩いた。
「・・・何だ?」
部屋からジャバウォックの声が短く返ってきたが、出てくる気配は無い。
「あ、あの、お、お忙しいようなので、お昼をお持ちしました。」
震える声でそう言うと、暫くしてドアが開いた。

出てきたジャバウォックは眉間にしわを寄せ、なにやら疲れた表情をしており、チェシャネコは反射的に頭を下げていた。
「す、すいません!緊急以外は呼ぶなといわれてたのに・・・お邪魔してしまったみたいで・・・。」
段々声の小さくなるチェシャネコに、ジャバウォックはやっと自分がどんな表情をしているかがわかったらしく、ふっと息を漏らして微笑んだ。
「すまない、心配をかけたようだな。」
そう言ってチェシャネコの頭を撫でると、食事を受け取った。
「悪いがもう少しの間、一人にしてもらえるか?セビリアに着くまでにはかたをつけるからな。」
「は、はい・・・了解しました。」

しゅんとした様子のチェシャネコの頭をもう一度軽く撫でると、ジャバウォックは再び部屋の中へと引っ込んでいった。

「姐御様、一体どうされたんでしょうか?あんなに疲れた様子の姐御様見た事ないです・・・」
チェシャネコの心配そうな様子にバンダースナッチがにっこりと笑って答えた。
「あらぁ~、チャーちゃんああいう顔した旦那様を少し前に見たはずよ~?今まで何度かああやってかんがえこんでることがあったしね~、大丈夫よ。」
「え?」とチェシャネコが不思議そうな顔をする。

ジャバウォックの表情を思い出してみるが、あんな思い悩んで疲れたような表情をした事があっただろうか?
「それよりも心配なのは、今の姐御様に邪魔が入る事よね~。」
「・・・どういう事ですか?」
バンダースナッチが説明するより先に、甲板から船員が大声で叫ぶのが聞こえた。

「提督!海賊の強襲です!」

途端に船全体が騒がしく動き始めた。
知らせを聞いてバンダースナッチとチェシャネコが配置に付こうと動いた瞬間、提督室のドアが恐ろしいほどの音を立てて開いたかと思うと、ジャバウォックが現れた。
船員全員が一瞬声を詰まらせる。

ジャバウォックの表情はじっくり見るまでもなく、明らかに不機嫌であり、何かを邪魔されたというその怒りが見て取れるほどだ。
「状況は!」
鋭い声に、船員が慌てて答える。
「は、敵勢力は重ガレオン2隻です!」
「・・・直ぐに接舷しろ!」
「りょ、了解しました!」
白兵ですか?と聞くことすらできずに、船員達は急いで持ち場へと戻っていく。

相手の船に接舷した途端、船員達より先にジャバウォックが相手の船にロープを投げ、飛び移っていった。
「て、提督!?」
船員達の驚きの声も聞こえていないのか、ジャバウォックは早くも敵船の上で白兵戦に入っていた。
「あらら~、こんな時に旦那様の邪魔に入るなんて運の悪い海賊よね~。サメの餌にならなければいいけど~。」
バンダースナッチがジャバウォックの後姿を見ながらさらりと恐ろしい台詞を吐く。

「ほらほら、ぼ~っとしてないであなたたちも続きなさい~。」
その声にやっと我に返った船員達が次々と敵船に飛び移り、白兵戦に入っていった。

提督自ら先陣を切ったからか、戦闘はあっという間にジャバウォック側の勝利で幕を閉じた。
「船員の被害はあるか?」
「軽傷者が数名いるだけです。」
「船の被害は?」
「帆が破れましたが、修復完了してます。航行に問題はありません。」

それだけ聞くとジャバウォックは再び提督室へと足を向ける。
「戦利品その他については後で報告を聞く。怪我をしたものはバンダーへ報告しろ。残りは速やかに航海に戻れ。以上だ。バンダー、チェシャ、頼んだぞ。」

「・・・姐御様、本当に大丈夫なのでしょうか?」
あれ以来海賊の強襲もなく、再び平和な航海に戻った。
チェシャネコが声をかけた効果か、食事の時だけ食堂に出てくるようにはなったが、それ以外は相変わらず部屋に篭ったきりだ。
「まぁもうすぐセビリアだしね~、着いたら理由もわかるかもよ?」
バンダースナッチがフフっと笑うのを見てチェシャネコは
「知ってるんなら教えてくれてもいいじゃないですか」
と唇を尖らせて呟いた。

セビリアに着き、船員も全員が上陸した後、最後にやっと部屋から出てきたジャバウォックは、未だになにやら難しい表情をしていた。
「あ、あの、姐御様・・・?」
恐る恐るチェシャネコが声をかけると、ジャバウォックはチェシャネコとバンダースナッチのほうを見てから、自分の手元に目線を戻し、ずっと何かを眺めている。
ジャバウォックの手にあるのは、なにやらカードか手紙のように見える。

「・・・2人に見てもらいたいものがある。・・・これをどう思う?」
航海中ずっとジャバウォックの頭を悩ませていたもの。
そう思うとその小さなカードが凄く恐ろしいものに見えて、チェシャネコは慎重にカードを覗き込んだ。
そのカードは・・・

canvas.jpg



「・・・あの、姐御様。」
「何だ?やはりおかしいか?」
ジャバウォックの困ったような口調に「いえ・・・あの」とチェシャネコが言葉を詰まらせる。
「椿さんへのバースデーカードですわね~。素敵じゃないですか~?」
「・・・そうか?」

もしかして。
チェシャネコはカードからジャバウォックに視線を戻す。
ひょっとしてカリブからの航海中ずっと思い悩んだような、疲れた様子だったのは・・・。
「姐御様、カリブからの航海中ずっとこれを・・・?」
チェシャネコの質問に「うむ」とあっさり返事を返した。
「嬢には今は会えないしな、この前のように労働力の提供とか一緒に祝いをというわけにもいかないしな・・・それでカードにしたんだが。」
そう言ってジャバウォックが盛大な溜息をつく。

「正直、海賊と連日戦うより疲れたぞ・・・何を書いていいのかがさっぱり分からん!」
カリブからの1ヶ月近くかかってやっとこれが出来上がったのだ、とジャバウォックは眉間にしわを寄せている。
1ヶ月近くかけてたった2行の文章。そして小さな押し花。

「この花は?」
「右下のは嬢の誕生花でアカンサスというそうだ。ぴったりだろうと思ったのだが・・・他の2つはナンテンダークピンクの薔薇だな・・・まぁそっちはオマケ見たいなものだ。」
「姐御様が押し花にしたんですか?」
チェシャネコの驚いたような声にジャバウォックが首を傾げる。
「・・・変か?」
「いえ、変では無いんです・・・・かなり意外で、ちょっと驚いてしまいました。」

1ヶ月近く、海賊と戦っている間よりも頭を悩ませ考えていたことがこの小さなカード。
ジャバウォックが机に向かい、眉間にしわを寄せながら一心にバースデーカードを作る様子を思うと、ふっと笑みがこぼれてしまう。

チェシャネコが顔を上げ、バンダースナッチを見ると、同じ事を考えていたらしく、目が合った途端「フフ」とお互いに軽く笑ってしまった。
そんな2人の様子にジャバウォックは「やはりおかしいか?」と困ったような表情で聞いてきた。


2人で声を揃えて答えた。
「素敵ですよ」
ジャバウォックがそれを聞いて、やっとほっとしたように微笑む。

「では、早く椿様の所に置きに行きましょう!」
「嗚呼、そうだな。」






離れていても大切な友達に。
Happy Birthday♪
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[2007.06.10(Sun) 23:49] 短編小説Trackback(0) | Comments(0)
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