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ふぃりすさんからいただきましたネタを軽くアレンジしてみました。

ネタもとのログは
ふぃりす>そういえば今日
ふぃりす>一つネタを思いついたんですが
ふぃりす>キーワードが樽入りハンス
このあといただいた更なるネタが書いたストーリーほぼそのままです。
むしろうちはふぃりすさんの考えたネタをそのまま書き写しただけのような・・・(汗


ネタをいただいてから書き上げるまで2時間ぐらい?
なので、超短編になっております。

しかもいまいち起承転結がないというか・・・・まあいつものことだからいいか。
では続きからどうぞー。







「・・・何で!?」
アレクシオは思わず叫んでしまった。

ここは北大西洋の洋上、自分の船の中のはずだ。
喉が渇いたので飲み物を、と思い調理場に来ると、酒樽のひとつのふたが少しずれていたので直そうと蓋を持ち上げた。
だが、蓋の下に見えたのは酒でも水でもなく、何故かスヤスヤと眠るクルルの姿だった。

「で、何でコンナコトに。」
揺り起こされたクルルにアレクシオが問いかけると、クルルは出してもらったミルクを一口飲んでから話し始めた。
「えーと・・・まずはリスボンでの事なんだけど・・・」

その日クルルは久々にアパルタメントに帰るべくリスボンに戻ってきたところだった。
が、運悪くそこで丁度サルベージから戻ってきたらしいハンスと出くわしてしまった。
当然逃げるクルル、追うハンス。

「で、うっかり行き止まりの方向に逃げてしまって、丁度船長(アレクシオ)の船が見えたから少しの間隠れさせてもらおうと思って・・・・」

旨くハンスに見つからないように逃げ込んだクルルは、それでも野生の勘で見つけられると大変なので、更に暫くの間空樽の中に身を潜めることにした。
(10分ぐらいたったら出て行っても大丈夫かな・・・?)

そう考えながら暗い空樽の中でじっとしている内、クルルは気がつけば夢の中へと引きずり込まれていった。

「で、俺に揺り起こされるまでそのまま樽の中で寝ていたと・・・」
「ごめん」
流石に申し訳なさそうにクルルが首を竦めた。

しかしアレクシオの船は今アゾレスに向かっているところだ。
「引き返すのはアゾレスに着いてからになるから少し遅くなるけど。」
シオの言葉に「おっけー」と頷いて、クルルは周りを見回した。

「ここじゃ何だし、上のゲスト室にでも移る?」
アレクシオが聞いたが、不可抗力とはいえ他人に船に乗ってじっとしているのも気が引けるらしい。
「んー、邪魔じゃなかったら食事とか作るの手伝っていいかな?」
料理人としては最高の腕を持つクルルの申し出だ。
むしろ有難い申し出だ、とアレクシオはOKの返事を出した。



「船長、今日の昼飯はまだですかい?」
船員に尋ねられて空を見ると、太陽が大分傾き始めている。
(おかしいな・・・クルルが食事を作るのを手伝っているはずなんだけど・・・?)
船員にもう少し待つように伝えて、アレクシオは調理場へと向かった。

調理場は入り口まで真っ白な煙が立ち込めていた。
料理の湯気か?と思ったが吸い込んでむせる。
どうやら埃らしい。

鼻と口をガードしつつ調理場に足を踏み入れると、部屋の真ん中でクルルが調理場担当の船員達に指示を出していた。
「お酒の樽と水の樽、あとミルクの樽もきっちりわけてー!あ、貯蔵庫の物資も一回全部出して整理するから!」
「了解でさぁ!」
船員達が張り切った声で返事をすると、樽やら木箱やらをどんどんと運んでいる。

「あの、クルルこれは・・・?」
「あ、船長ー、調理場こんな散らかしちゃダメだよ。ついでだから全部整理しちゃうねー!」
箒片手にテキパキとまわりに指示を出していく。
「アレクシオ船長、そんなところに立ってちゃ邪魔ですぜ!」
船員に言われアレクシオが思わず壁際まで下がると、クルルが
「あ、いいよ。乾パンの箱とビール樽はそのままそこにおいといてー!」
と指示を出す。

「クルル・・・そろそろ昼飯の時間も大分過ぎてるんだけど。」
出される指示の合間をぬってアレクシオがいった言葉に、クルルは今船員が置いていった木箱とビール樽を指差した。



「船長、また安ビールと乾パンですかぃ?」
その台詞は俺も言いたい、と思ったアレクシオだった。


その後の夕食からは無事クルルの手料理にありつけ、航海中毎日振舞われるクルルの手料理に、船員達は大喜びだった。

アゾレスに着き、いつも通りに交易所で買い付けを済ませると、「おまたせ」と目の前に恐ろしい量の交易品が積み上げられる。
「・・・こんなに頼んでないんだけど。」
「え?いやそっちの船員さんたちが追加でワインと小麦、あと魚肉と牛を全部で400樽分注文受けたよ。あんたの所の船員だろう?」
船員達の方を見ると全員が声を揃えて言った。
「クルルさんに買い付けを頼まれましたんで。」
載せるのは俺の船なんだが、と言う言葉は「今夜も旨い飯が食えるぞー!」と喜んでいる船員達を目の前にして口に出すことは出来なかった。

「クルルさん、言いつけ通りに買ってきましたぜ!」
「あ、ありがとー、全部調理室に運び込んでー!」
アレクシオが買い付けた交易品は後回しにされ、クルルの買い付けた品が先に船へと積み込まれるのを見てもアレクシオがもう何も言わなかった。
「さて、今夜の料理も張り切って作るよ!」
クルルの掛け声に船員達の「了解でさぁ!」と言う気持ちのいい返事が返ってくる。

「えーと、今日の料理はワイン煮込みにしようかな・・・」
クルルはワインの数が足りるかを確認に貯蔵庫に向かった。
かなりの数を積んでいるはずのワインだったが、クルルが数を確認しようと近寄ると殆どの樽の蓋が弛んでいた。
(あれ・・・・・?)
樽のひとつを開けると中身は空だった。
その隣も・・・と空けていくがどの樽も空っぽだ。
「・・・・まさか。」
クルルは入り口から一番遠い酒樽のほうを覗き込んだ。

どこからこの船に入り込んでいたのか、買ったばかりのワインを全て飲み干し酔っ払って眠り込んだハンスが、樽の中に挟まっていた。

クルルは、無言でだらしなくはみ出したハンスの手足を樽にきちんと収めると、蓋を閉めそのまま甲板まで転がしていく。
「クルル、どうした?」
甲板にいたアレクシオが不思議そうな顔でクルルの転がす樽を見る。
「あ、これワインの入っていた樽なんだけど、捨てていい?」
にっこり微笑むクルルを見て、アレクシオはそっと蓋を持ち上げて中を見た。

樽の中で眠るハンスを見て、アレクシオは何も言わなかった。
無言で蓋を再び閉じると、船員に大工道具を取ってこさせて、きっちりと釘を打ち付ける。

そうして無言のままクルルと共に樽を転がすと青い海へと投げ棄てた。
まあ、これくらいでどうにかなるハンスではない。

船の後ろから「フォー!」と言う妙な叫び声が聞こえた気がしたが、クルルはアレクシオと顔を見合わせるとそのまま無言で船の中へと引き返していった。
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[2007.11.27(Tue) 01:46] 短編小説Trackback(0) | Comments(0)
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